観光地・大町温泉郷から地産地消スイーツの魅力を発信
なぜ大町市で起業したのですか
私は東京の出身ですが、両親の別荘が大町市にあり、小さいころからよく遊びに来ていたので親近感のある土地でした。私が大町温泉郷での起業を決めたことがきっかけで、早期退職していた両親も一緒に移住することになったんです。
洋菓子製造の専門学校を卒業後、軽井沢のホテルや小淵沢のホテルのレストランでパティシエとして働いていました。そのなかで地産地消のスイーツに出会い、「私がやりたいのはこれだ!」と思ったんです。地産地消のスイーツをやるなら都心ではなく地方だと以前から思っていたのですが、その中でも大町市は本当においしい素材に恵まれたところです。生産者の方々が身近に大勢いらっしゃるのも魅力ですね。シュークリームなどに使っている牛乳は地元の松田牛乳ですし、季節ごとのいろいろなフルーツはもちろん、卵も地元産です。信州産の玄米粉や、美麻地域の特産品「菜の花オイル」という珍しい素材も使っています。
大町温泉郷について
私のお店がある大町温泉郷は、温泉とウィンタースポーツが楽しめる観光地ですが、お店はそれほど多くはないですし、私たちみたいに通年で営業していないところもあります。起業に際して社会人スクールで経営について学んだのですが、そこでは「このような場所は立地的に適していない」と言われました。通りの通行量などのデータからみればそうかもしれません。ですが、温泉地で宿以外にゆっくりできる場所があるとうれしいじゃないですか。いい立地の場所で他人と同じことをするより、自分で可能性を見つけるほうがチャンスが多いのではと思い、大町温泉郷での起業を決めました。
初めての移住、そして起業
移住も開業も初めてで、しかもそれが同時のことだったのでとまどいは多かったです。大町市には何度も来ていたものの、スキー場と温泉以外はほとんど知らなかったので知り合いもいませんでしたから。
商工会議所に相談に行ってから状況は変わりましたが、最初はわからないことを気軽に聞ける間柄の人がいなかったので、手続きなどで二度手間になってしまうなんてこともありました。
これから「創業支援協議会」ができて、移住者でも気軽に相談できる環境が整備されるとのことで、これから起業される方はとても助かると思います。
これからの夢
地元の食材って、地域の方には当たり前すぎるのか、あまり関心を持たれていないんです。この店が、地元の方々が地域の食材の魅力に気づいていただけるきっかけになれらばと思っています。