先輩起業家の声

大正ロマンあふれる老舗旅館をゲストハウスにリノベイト

松葉屋ゲストハウス

ゲストハウス

起業までの経緯を教えてください

松葉屋は1918(大正7)年に建築された洋館風の旅館ですが、お一人で経営していた方が高齢になり2010年に廃業してしまいました。私は大町の商店街のあたりの出身で、小さい時に旅館時代の松葉屋によく遊びに行っていた縁もあり、大正ロマンあふれるこの旅館を廃業のまま放っておくのはもったいないと思っていました。
そんななか、2015年に大町の芸術イベントに関わったときに、松葉屋を1日限定でカフェとして公開することにしたんです。そのときやってきた地元のおばあさんが「昔から入って見たかったけど機会がなく、初めて入れた」ととても喜んでいらっしゃいました。その姿がとても印象的で、そのとき、松葉屋を再開したら楽しいことになるぞと思ったことが開業のきっかけになりました。

あなたにとって大町で暮らす魅力とは

2010年に大町に戻ってくるまでは東京にいました。その頃から地方におけるまちづくりや田舎暮らしの可能性に興味を持っていて、大町に戻ったときは「ぐるったネットワーク大町」という町おこしのNPOに参加していました。いったん東京に出てから改めて生まれ故郷を見ると、当時は気づかなかった魅力がいっぱいあることがわかりました。外からの視点というか、東京の「眼鏡」で大町を見たら、とても魅力的で可能性のあるエリアだということに気づかされたんです。実際、芸術家や工芸作家、有機農法の農家さんなど、首都圏から大町に移住してくる人も多いですしね。
また大町は、先ほど話したNPOもそうですけど、ローカルの小規模な活動がとても盛んな地域でもあるんです。NPOなどの自主団体が数多くあり、目的意識を持って活動している人が多いんです。そういう中で自分も頑張りたい。自分の住んでいる街をもっと面白くするために頑張りたい。その思いが「松葉屋ゲストハウス」の開業へとつながりました。

起業する際に苦労したこと

開業までの準備は、何が大変かわからないくらい大変でした。自分の場合、法務や経理、ビジネス的なノウハウに関しては勉強不足だったので、大町市創業支援協議会による創業セミナーはとても有意義でした。ビジネスに関するさまざまなことが学べましたし、大町で起業したいという人が一堂に介しているその雰囲気自体がとても刺激的でした。自分はコンセプトばかり考えてしまって実務の方がふわふわしがちなタイプなので(笑)、すでに起業されている方のお話を聞くと、地に足がついていく感じでしたね。
開業準備中はわからないことだらけで、行政に何かを聞きにいこうとしても担当部署がわからなかったりなど、知りたいけれどどこに行けばいいかわからないということがよくありました。ぜいたくを言わせてもらえば、起業希望者一人に対して、何でも相談できる人が一人という、メンター制度のようなシステムになっているととても助かると思います。

これから起業を考えている方へ

大町での起業を考えている人の傾向として、ビジネスとしてやっていきたいというだけでなく、自身のライフスタイルを求めて大町という地に興味を持った人が多いようです。ですので、大町の風土であったり地域性であったりというものに馴染みがないと大変なことも出てくると思います。大町で町おこしをしている人でもいいし、商工会議所で出会った起業仲間でもいい。とにかくいろいろな人たちの話を聞くことが大切です。大町には腹を割って話せる先輩がいっぱいいますよ。